眠っている間に終わる胃カメラ検査

胃カメラ検査について

胃カメラは、胃痛や胸焼け、喉の違和感など直接的には見えない症状がある場合に用いられる検査で、口または鼻から胃内視鏡スコープを挿入して食道・胃・十二指腸を診察します。保険適用の条件は、診察後に病気が疑われる場合です。ただし、症状がなくても心配な場合は自費診療となります。

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胃カメラ検査を受けるべき方

症状について

症状としては、胃が痛む、お腹が張る、胃酸が上がって胸焼けがするなどが挙げられます。これらの症状がある場合は、食道や胃、十二指腸に問題がある可能性がありますので、検査をおすすめします。以前は、空腹時や食後に胃の痛みが潰瘍の兆候とされていましたが、最近では胸焼けや腹満感、胃もたれなどの症状を訴える患者さんも増えています。

ピロリ菌について

ピロリ菌は胃の中で生きることができる細菌で、昔は井戸水などの使用から多くの日本人が感染していましたが、最近の若い人の間では感染率が低下しています。しかし、完全に感染がなくなったわけではありません。

ピロリ菌が胃にいると、胃酸を中和して胃の粘膜を荒らし、慢性的な胃炎を引き起こす可能性があります。また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらには胃がんのリスクも高まります。そのため、ピロリ菌の有無を診断することは非常に重要です。ピロリ菌の検査を保険で行うためには胃カメラの実施が必須です。

その他について

胃カメラをおすすめする方は、症状がある方や胃がん患者の家族です。胃がん患者がいる場合、育った環境が同じ家族全員がピロリ菌に感染している可能性があるため、胃カメラで検査することが重要です。胃カメラを受けると、ピロリ菌の感染状況がわかります。胃の炎症がある場合やピロリ菌感染が疑われる場合には、胃カメラ後に抗体検査、抗原検査、呼気テストなどで確定診断を行います。

鎮静剤を使用した胃カメラ検査とは

胃カメラ検査は、検査機器の進歩によりカメラ(内視鏡スコープ)が細くなり、嘔吐反射を軽減できるようになりました。細い内視鏡スコープは口からでも鼻からでも検査できますが、鼻に入れる際には違和感を感じることがあります。嘔吐反射が心配な方は鎮静剤を使用することもできます。鎮静剤を使うと、眠っている状態で意識がほとんどなく検査を行うことができます。不安や嫌な思いがある方は、気軽に鎮静剤の使用を相談してください。

胃カメラ検査は「オエッ」てなる?

嘔吐反射は、個人差が大きい現象です。例えば、奥歯の歯磨きや、指を口の奥に入れただけで嘔吐反射が強い方もいます。この反射は、喉の奥に異物が当たると起こるものなので、内視鏡の性能が向上した細い内視鏡でも生じる可能性があります。嘔吐反射を軽減する方法の1つが、内視鏡が嘔吐反射の出る部分を通過しない経鼻胃カメラです。経鼻胃カメラでは、「おえっ」という嘔吐反射による苦しみが軽減されますが、お鼻が小さい方では鼻の痛みを感じることがあります。この痛みを和らげるために、経鼻胃カメラでも鎮静剤を使用することができます。

胃カメラ検査は「鼻から」と「口から」の違い

近年の内視鏡のスコープは細くなっており、お口からの検査でも比較的楽に受けることができます。ただし、嘔吐反射が生じる部位を通るため、人によってカメラが通るときに「オエッ」となる嘔吐反射が出ることがあります。一方、お鼻から入れる経鼻内視鏡の場合、嘔吐反射が出にくいというメリットがあります。

 ただし、お鼻を通るため、お鼻の通り道が狭い方は、お鼻の痛みや鼻血が出る可能性があります。どちらの方法でもメリットとデメリットがありますので、患者さんの状況や希望に合わせて選択することが重要です。お鼻が狭くて挿入が難しい方か口で慣れている方以外は経鼻胃カメラをお勧めいたします。

 胃カメラ検査は、鼻から入れる検査や鎮静剤の使用も選択肢の一つです。患者さんがどの方法を選ぶべきか迷った場合は、専門医や指導医に相談することをお勧めします。自身の身体に合った内視鏡検査方法を選択することで、より安心して検査を受けることができます。

胃カメラ検査の流れ

予約・事前診察

胃カメラ検査は、事前に窓口とWEBからご予約いただけますが

検査をご希望される方は、事前に診察をお受けいただくことをおすすめしています。

また、緊急性がある場合は、可能な範囲で当日のご対応をさせていただくこともありますので、お気軽にお問い合わせください。

検査前日

食事制限は特にありませんが、胃カメラ検査前日はできる限り早めに食事を済ませましょう。21時以降は食事を控え、油っこい食事や飲酒も避けてください。水分補給は検査まで行えますが、水やお茶、スポーツ飲料など色の付いていない飲み物を摂るようにしてください。

検査前

検査当日は朝食を抜いてお越しください。高血圧や喘息、不整脈などのお薬は、6時までに服用してください。糖尿病の血糖降下薬を内服中の方は、医師の指示に従って内服または中止してください。鎮静剤を使った検査を受ける場合、車やバイク、自転車の運転は避けてください。

ご来院

「検査開始時刻の10分前」には到着できるよう、余裕を持ってお越しください。到着されましたら、受付窓口へ診察券・健康保険証をご提示ください。
その後は、看護師による問診(既往歴・アレルギーなどの有無)を受けていただき、検査着に着替えていただきます。貴重品や荷物は鍵のついたロッカーをご用意しておりますのでそちらに保管していただきます。

検査の準備

まず、胃の中の泡を取り除く薬を飲んでいただきます。 口から内視鏡を希望する方は、ゼリー状の麻酔薬を喉に溜めていただく方法で、喉の麻酔を行います。 鼻からの内視鏡を希望する方は、出血を防ぐため、両方の鼻腔に血管収縮薬をスプレーします。通りの良い鼻腔にゼリー状の麻酔薬を入れた後に、麻酔薬を塗った内視鏡と同じ太さのチューブを入れていきます。

検査

口または鼻から内視鏡を優しく入れていきます。食道や胃・十二指腸の状態を調べます。検査は約5分で終わります。 必要に応じて、組織採取(生検)やピロリ菌検査(血中抗体)を行うこともあります。

 鎮静剤を使わなかった場合は、検査後すぐに画像をお見せしながら結果を説明して参ります。検査から1時間後程度はむせこみやすいので、飲食を控えて頂きます。1時間経過し、喉の麻酔が取れてきましたら、少量の水から慎重に飲んでいただき、むせ込みがないことが確認できましたら、普段通り飲食を行ってください。鼻から挿入した場合は、鼻血が出やすくなっているので、鼻を強く噛まないようにしてください。 鎮静剤を使用した方は、30分~1時間程度リカバリールームにてお休みになっていただき、鎮静の効果が落ち着きましたら医師より結果のご説明をさせていただきます。

お会計

診察が終わりましたら、受付に戻ってお会計をお願いします。胃カメラ検査は基本的に保険で行います。保険が適用されると、検査費用の1割から3割を支払うだけで済みますので、ご安心ください。※診察代は別途かかります。

当院胃カメラ検査へのこだわり

選べる検査方法

胃カメラは、患者様のご希望により、鼻からの検査や鎮静剤を使用した検査も可能です。口からでも鼻からでも極細径の内視鏡スコープを使用します。医学的に問題がなければ、患者様のご要望に添った検査方法で行いますのでご安心ください。

全ての内視鏡を経験豊富な内視鏡専門医が施行

当院では、長年にわたり内視鏡検査・治療、手術のスキルを磨いてきた医師が検査を担当しています。これにより、より短時間でかつ高精度な検査を提供することが可能です。医師の高いスキルを活かし、患者様の苦痛を最小限に抑えた検査を実現しています。安心して検査を受けていただけるよう、精度とスピードを兼ね備えたサービスを提供しています。

患者様の苦痛を最小限にするために鎮静剤を使用した優しい検査

当院では、定期的な検査を受けていただくため、胃カメラ検査を苦痛なく受けていただけるよう心がけています。そのため、鎮静剤を積極的に使用しています。鎮静剤を使用することで、眠っているかのような状態で検査を受けていただけます。これにより、医師が胃を十分に膨らませて観察することができ、より詳細な検査が可能です。鎮静剤の投与量は患者様に合わせて調整いたしますので、安心して検査を受けてください。

最新の内視鏡システムを導入しております

当院では、富士フイルム社製のレーザー光源を搭載した次世代内視鏡システム『LASEREO 7000』という内視鏡システムを採用しています。このシステムはレーザー光源とハイビジョンモニターを備えており、従来より鮮明な画像を得ることができます。そのため、通常よりも病変の診断が正確になり、特に「LCI」という機能を使うと、胃がんの発見率が通常の検査より1.67倍高くなると報告されています。

胃カメラ検査を受ける際のポイント

胃カメラ検査の技術は日々進歩しており、患者さんにとって辛くない検査方法を工夫できる余地があります。患者さんが必要な検査だけを受けられるように、不要な検査や処置は行わず、医療上必要な範囲でのみ検査や処置を行っています。また、保険適用の範囲での検査でも、必要なものに限定しておりますので、安心して受診していただけます。

胃カメラ検査と胃の病気について

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

一般的には上腹部の痛みや、お通じが黒くなるなどの症状が現れます。主な原因はピロリ菌感染、消炎鎮痛剤の副作用、ストレスによる心因性などです。放置すると貧血や穿通・穿孔などの合併症を引き起こす可能性がありますので、早めに診断を受けて適切な治療を行う必要があります。

逆流性食道炎

胸焼けや喉のつかえ、胸が熱い感じなどの症状は、肥満や高齢、欧米化した食生活などが原因とされます。消化の悪い食事をとると症状が出やすくなります。逆流性食道炎は放置すると進行し、胸焼けがひどくなることもあります。喘息の原因にもなりますので、症状がある方は医師に受診することをお勧めします。

胃がん

胃の痛みや便の色が黒くなる、消化が悪くなる、貧血などの症状がありますが、これらの症状が必ずしも胃がんを意味するわけではありません。胃がんの主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌感染があげられます。この菌に長期間感染していると、胃粘膜が損傷し、がん化するリスクが高まります。他、食生活(塩分の高い食事、加工肉製品などの過剰摂取)、喫煙、遺伝的要因、家族歴、年齢・性別・地理的要因などが胃がんのリスクと言われています。胃がんが進行すると、他の臓器へ転移したり、命にかかわる状況につながることがありますので、リスクがある方や症状のある方は、定期的に胃カメラ検査を受けることが必要です。

機能性ディスペプシア

心窩部(みぞおち辺り)の痛みや、胃がもたれる、お腹が張る、ゲップが出る、食後の不快感といった上腹部を中心とした症状が見られます。原因はストレスに対する過剰応答と考えられ、食道・胃・十二指腸の働きに影響を及ぼしそれが症状を引き起こします。精神的ストレスや寝不足、疲労、食生活の乱れ、ピロリ菌感染などが積み重なると、機能性ディスペプシアが起こりやすくなります。放置すると、症状が続き、食事を楽しめない、お腹が張ってつらいといった生活の質が下がる可能性があります。診断には胃カメラを行い、異常がないことを確認することも重要ですので気になる方は早めにご来院ください。

胃のポリープ

胃ポリープは胃の粘膜から生じる、上皮性で良性の隆起性病変です。胃底腺ポリープと過形成性ポリープは、胃ポリープの中でもよく見られる2種類です。

胃底腺ポリープは、胃の粘膜に発生する良性のポリープです。これらは一般的に2〜3mmの大きさであり、胃の大弯側に複数見られることが特徴的です。色は周囲の胃粘膜と同じで、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染がない健康な胃によく発生します。プロトンポンプ阻害薬の長期使用と関連があると考えられており、服用している方ではポリープの数が増えることが報告されています。これらのポリープから胃がんが発生することは非常に稀ですが、0.4%程度の確率でがん化する可能性があるため、大きなものや増加傾向にある場合は注意が必要です。基本は経過観察で問題なく、治療も必要ありません。

過形成性ポリープは、胃粘膜の細胞が異常に増殖して形成されるポリープで、色は赤みを帯びており、サイズや数にばらつきがあります。これらは特にヘリコバクター・ピロリ菌感染と関連が強く、ピロリ菌の除菌を行うことで約80%の患者さんで縮小または消失することがあります。しかし、過形成性ポリープはがん化のリスクを持つため、定期的な内視鏡による観察が推奨されます。

胃底腺ポリープと過形成性ポリープはそれぞれ異なる特徴を持ちますが、どちらも胃の健康を守るためには定期的な検査が重要です。専門医の診断と監視の下、適切な治療を受けることが推奨されています。

萎縮性胃炎

症状は無症状のこともありますが、胃が重い感じや消化不良といった自覚症状がある方もいます。これらの症状の原因の多くは、ピロリ菌感染によるものです。ピロリ菌感染が未治療の場合、胃がんのリスクが上昇します。除菌治療を完了した場合でも、胃がんのリスクは大きく減少しますが、ゼロになるわけではありません。除菌治療後にも胃がんの報告例があるため、ピロリ菌感染の既往がある方は定期的に胃カメラ検査を受けることが重要です。

胃アニサキス

胃アニサキスは、アニサキス(寄生虫)が寄生するサバやアジ、イカなどの魚介類を生で食することでアニサキスが胃の壁に食いつくことにより発症します。食後数時間以内に激しい腹痛、嘔吐が起こります。その症状はアレルギーによるものでアナフィラキシーショックに陥るケースもあります。胃アニサキスを疑った場合、緊急で胃カメラ検査を行い胃粘膜に食いついたアニサキスを除去します。アレルギー症状なので除去後に症状は速やかに改善されることが多いです。予防には魚介類の60℃で1分以上の加熱または−20℃以下24時間以上の冷凍が有効です。症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診することが大切です。

食道がん

食道がんの症状としては、喉のつかえ感や飲食時の胸の違和感、食べものがつかえる、飲みものがつかえる感じ、胸や背中の痛み、咳、声のかすれなどがあります。食道がんは転移しやすいので、早期発見が重要です。特にお酒を飲むと赤くなる体質や喫煙の習慣がある方は食道がんのリスクが高いため注意が必要です。定期的な胃カメラ検査で早期発見が可能ですので、ご心配がある方はお気軽にご相談ください。

※胃の病気でよくある症状

  • 胃痛や胸やけ: 逆流性食道炎や胃炎、胃潰瘍などが原因で起こることがあります。
  • 吐き気や嘔吐: 胃潰瘍や十二指腸潰瘍、食道がんなどが原因で起こることがあります。
  • 食欲不振や体重減少: 逆流性食道炎や慢性胃炎、胃がんなどが原因で起こることがあります。
  • 胸の痛みや違和感: 逆流性食道炎や食道アカラシア、食道がんなどが原因で起こることがあります。
  • 喉・ 食道異物感: 逆流性食道炎や食道狭窄症などが原因で起こることがあります。
  • 黒い便や吐血: 胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がん、食道胃静脈瘤などが原因で起こることがあります。
  • 胃腸の不快感や違和感: 機能性ディスペプシアや胃炎、胃潰瘍などが原因で起こることがあります。

違和感があったら悪化する前に胃カメラ検査

食事時、就寝時、あるいは朝目覚めた際に喉、食道、胃、十二指腸に不快感や痛みを感じることがあれば、そのまま放置せずに胃カメラ検査をお勧めいたします。はじめて、胃カメラ検査を受ける方の中には、不安に思うこともたくさんあると思います。髙栁 胃と大腸の内視鏡クリニックでは、患者様に安心して受けていただけるよう、事前に不安な箇所は遠慮なくご相談ください。また当院では鎮静剤を使用した経鼻胃カメラ検査が可能です。

前橋市を中心に、群馬県全域からはもちろん、遠方からも多数の患者様が胃カメラ検査を目的に当院を訪れています。高崎市、太田市、伊勢崎市、渋川市、藤岡市、みどり市など、県内は広くカバーしております。患者様の利便性を考慮し、検査のスケジュールを柔軟に対応しており、午前から午後までの広範囲にわたる時間で検査を行っています。~患者さん一人ひとりの気持ちを大切に~を理念に、スタッフ一同お待ちしております。

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